【特集 脳動脈瘤の治療~open surgeryか血管内治療か~】
スタチンと脳動脈瘤
掲載誌
脳と循環
Vol.18 No.2 45-49,
2013
著者名
吉田和道
/
青木友浩
/
片岡大治
/
宮本享
記事体裁
抄録
疾患領域
脳血管障害
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
媒体
脳と循環
「SUMMARY」破裂脳動脈瘤に対する外科治療成績は向上したが, 非手術例も含めたくも膜下出血全体の治療成績はいまだ満足できるものではなく, その突破口は一次予防法の確立である. 基礎研究の蓄積により解明されつつある脳動脈瘤の発生・増大の分子機構の知見を基に, スタチンの動脈瘤増大抑制効果を示す複数の基礎研究結果が報告された. さらに, ヒト脳動脈瘤に対する有効性を検証すべく, 全国規模の多施設前向き試験も進行中である. 「はじめに」脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血の手術成績は, 術中モニタリングおよび手術支援画像の進歩による直達術の安全性向上や, 新たなデバイスの開発による血管内治療の発展, さらに両者を組み合わせた複合治療の出現により, 近年著しく向上している. しかし, 非手術例も含めたくも膜下出血患者全体の治療成績は, 依然として半数は死亡ないし重篤な後遺症を残すというのが現状であり, 決して満足できるものとは言い難い.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。