【特集 脳虚血に対する血管内治療の役割】
脳血管内治療と抗血小板療法―血小板凝集能測定と抗血小板薬不応症についての話題―
掲載誌
脳と循環
Vol.18 No.1 51-56,
2013
著者名
松原功明
/
宮地茂
記事体裁
抄録
疾患領域
脳血管障害
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
放射線科
媒体
脳と循環
「SUMMARY」 脳血管内治療において, 虚血性合併症の予防のために抗血栓療法, 特に抗血小板療法は必須である. 一方, 抗血小板療法による十分な治療効果を得るためには, 個々人の薬剤反応性を考慮する必要がある. 特に抗血小板薬不応症に対しては, 薬剤の変更や投与方法の工夫など何らかの対応が必要であると考えられてきている. 循環器分野の知見を踏まえ, 簡易血小板機能検査であるVerifyNow systemと抗血小板薬不応症を中心に, 脳血管内治療と抗血小板療法について概説する. 「はじめに」 脳血管内治療は, マイクロカテーテルやガイドワイヤーなどのデバイスが細く屈曲した脳血管内を通過するために, 血管内膜が損傷する機会が多い. また, コイルやステントなどの異物が血流内で露出しているために, その表面では血栓形成性が高くなる. このため, 手技に伴う血栓形成を抑える目的で抗血小板療法は脳血管内治療に必須である. 「脳血管内治療における抗血小板薬の効用」 脳血管内治療において血栓塞栓性合併症の頻度は2.5~4.5%といわれる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。