【特集 脳虚血に対する血管内治療の役割】
(座談会)脳虚血に対する血管内治療の役割
掲載誌
脳と循環
Vol.18 No.1 11-17,
2013
著者名
棚橋 紀夫
/
峰松 一夫
/
坂井 信幸
/
飯原 弘二
記事体裁
抄録
疾患領域
脳血管障害
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
手術・救急
/
放射線科
媒体
脳と循環
「脳梗塞急性期症例に対するt-PA療法の現状」 棚橋(司会) 脳虚血に対する最善の治療は早期の血流再開により虚血に陥っている脳組織を救済することですが, 急性期の組織プラスミノーゲン活性化因子(tissue-plasminogen activator:t-PA)静注療法とともに血管内治療による再開通療法が欠かせない状況となっています. そこで今回は「脳虚血に対する血管内治療の役割」というテーマで討議したいと思います. まず脳梗塞急性期症例に対するt-PA療法の現状について, 内科的立場から峰松先生に解説をお願いします. 峰松 脳梗塞の急性期症例に対するt-PA療法は, 海外で一般臨床応用されて16年目, わが国でも保険適用されて7年になります. 当初は体制整備の問題もあって, 国内実施件数は年間3,000~4,000例で推移し, 現在では8,400例ほどに増えてきました. それでもt-PA投与例は脳梗塞患者全体の3~5%に過ぎません.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。