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脳循環障害の画像診断

心移植後患者に出現した造影効果を伴う可逆性多発白質脳症

藤並潤宮下史生豊田一則簗瀬正伸中谷武嗣

脳と循環 Vol.17 No.3, 55-59, 2012

「はじめに」白質脳症とは大脳の白質が主に障害される病態のことであり, 原因の1つに薬剤による副作用がある. 原因薬剤として抗悪性腫瘍薬, 免疫抑制剤, インターフェロンαなどがよく知られる. 昨今, 臓器移植の件数が増加するにつれ, 臓器移植後の免疫抑制剤投与による白質脳症の報告も散見されるようになっている. また一方で, 免疫抑制状態においてはウイルスなどによる脳炎も発症しやすい状態となるため, 免疫抑制剤投与中に中枢神経病変が出現した場合, その鑑別や治療が困難である場合が多い. 今回, 我々は心臓移植後の免疫抑制剤投与中に神経症状が出現し, 頭部MRIで造影効果を伴う可逆性の多発白質病変を認めた症例を経験したので報告する. 「症例」27歳, 男性, 右利き. 「主訴」言葉をうまく話せない, 右半身を動かしにくい. 「既往歴」拡張型心筋症に対して心臓移植後, Epstein-Barr(EB)ウイルス感染症.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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