【特集 治療可能時間の延長に挑む】
超音波併用血栓溶解療法の原理と未来
掲載誌
脳と循環
Vol.17 No.2 49-53,
2012
著者名
古幡博
記事体裁
抄録
疾患領域
脳血管障害
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
手術・救急
/
放射線科
媒体
脳と循環
「SUMMARY」経頭蓋的超音波血栓溶解療法に関するメカニズムを略説し, 診断用装置(数MHz帯)で臨床的に溶解率向上と神経予後改善の得られることを紹介した. 併用法に用いる超音波としてはあまり使われていない中周波数帯(100kHz~1MHz)の有効性がin vitro, in vivo実験で示されていることを紹介するとともに, この周波数帯における内外の状況と近未来的展望を述べた. 「はじめに」急性脳梗塞におけるt-PA静注療法の適応時間延長を実現するためには, その出血率の軽減, 再開通時間の短縮および救済可能組織への標的治療が解決すべき課題であろう. 本稿では, 薬物によらない超音波の物理的エネルギー投与によって, 溶解加速および用量低減による出血率軽減という超音波併用血栓溶解法の原理とその未来像について略述する. 「超音波併用血栓溶解療法の原理」超音波併用血栓溶解療法は, 歴史的には立花俊郎らが, ラット下肢末梢動脈塞栓モデルについてウロキナーゼを注入しながら超音波洗浄機に同下肢を入れると, 再開通率が向上することを示したのが最初である1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。