【特集 治療可能時間の延長に挑む】
血管内治療とその治療可能時間
掲載誌
脳と循環
Vol.17 No.2 45-48,
2012
著者名
江頭裕介
/
吉村 紳一
記事体裁
抄録
疾患領域
脳血管障害
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
手術・救急
/
放射線科
媒体
脳と循環
「SUMMARY」2010年以降, わが国においても相次いで「発症8時間以内の急性期脳梗塞症例」に対する血栓回収デバイスが認可され, 新たな再開通手段として適応症例の拡大が期待される. 血管内再開通療法の有効性を最大限に高めるため, 画像診断を中心とした適切な症例選択は重要である. それぞれの有効性, 安全性に基づいた手技, デバイスの選択方法などについては今後の研究が待たれる. 「はじめに」現時点での脳主幹動脈急性閉塞症に対する最善の治療は, 早期に血流を再開し虚血に晒されている脳組織を救済することである1). 現在, 超急性期脳梗塞に対する治療の第一選択がrt-PA静注療法であることに議論の余地はないが, 使用適応は厳密に規定されており, 特に発症から3時間以内の症例に限られていることから, 世界的にもrt-PA静注療法の適応可能症例は全脳梗塞患者の5%程度に過ぎない2). また, 内頸動脈や脳底動脈といった主幹動脈閉塞例に対する有効性が低いことなど3)4), その効果の限界も明らかになりつつある.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。