脳卒中の治療技術
脳血管疾患に対するガンマナイフ治療
掲載誌
脳と循環
Vol.17 No.1 59-64,
2012
著者名
森久恵
記事体裁
症例
/
抄録
疾患領域
神経疾患
/
脳血管障害
診療科目
脳神経外科
/
放射線科
媒体
脳と循環
「はじめに」1. ガンマナイフ(定位放射線治療)とは γ線(Co60)を線源とし, 虫めがねの焦点のように収束させて, あたかもナイフで切り取るように, ターゲット(頭蓋内)にのみ高線量を照射する治療法である(図1A). 頭部固定フレーム(図1B)を用い, 照射精度は0.1mm以下に保たれている. また, 1本のγ線のエネルギー量は小さいため, 照射時にγ線の貫通する頭皮, 頭蓋骨, 脳実質, 血管, 神経など周辺正常脳組織への影響は少なく, 照射を受けたターゲットのみが徐々に凝固・壊死する極めて低侵襲な治療方法である. 治療は局所麻酔下でフレーム装着を行い, 外科的手術に耐えられないような患者や高齢者の治療も可能である. 2. ガンマナイフ治療の変遷 ガンマナイフ1号機は1967年に完成し, 視床破壊術の治療が行われた. 以後, 脳腫瘍の治療に用いられ, 脳動静脈奇形(cerebral arteriovenous malformation:AVM)への治療が行われたのは1972年のことであった1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。