【特集 頸動脈治療の新たな展開】
最近の頸動脈狭窄に関する大規模試験結果の解釈-血管内治療の立場より
掲載誌
脳と循環
Vol.17 No.1 45-51,
2012
著者名
早川 幹人
/
松丸祐司
記事体裁
抄録
疾患領域
脳血管障害
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
放射線科
媒体
脳と循環
(SUMMARY)近年, 頸動脈内膜剥離術(CEA)と頸動脈ステント留置術(CAS)のランダム化比較試験が相次いで発表され, 特に2010年のCRESTの結果により, 各種ガイドラインにおいてCEA標準危険群に対してのCAS適応の拡大がなされた. しかし, CASには周術期脳卒中が多く, 高齢者で成績が不良なことは各RCTでほぼ共通している. CASの治療成績向上のためには, CAS高危険群を認識した症例選択と, 病変性状などに応じてデバイスを使い分ける"tailored CAS"が重要と考えられる. 「はじめに」頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy:CEA)は, 内科治療とのランダム化比較試験(randomized-controlled trial:RCT)であるNASCET(North American Symptomatic Carotid Endarterectomy Trial)1)/ECST(European Carotid Surgery Trial)2)(症候性病変が対象)やACAS(Asymptomatic Carotid Atherosclerosis Study)3)/ACST(Asymptomatic Carotid Surgery Trial)4)(無症候性病変が対象)などの結果から, 特に症候性高度頸動脈狭窄症に対してゴールドスタンダードな治療である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。