【特集 頸動脈治療の新たな展開】
最近の頸動脈狭窄に関する大規模試験結果の解釈-外科の立場より
掲載誌
脳と循環
Vol.17 No.1 39-43,
2012
著者名
戸井宏行
/
宇野昌明
記事体裁
抄録
疾患領域
脳血管障害
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
手術・救急
媒体
脳と循環
(SUMMARY)頸動脈狭窄症に対する外科治療CEAと血管内治療CASの大規模な比較試験CRESTの結果が報告された. 「低リスク患者においてもCEAとCASの効果は同等」という結果であったが, 高齢者ではCEAが有利, 周術期strokeはCEAが少ないなどの注意すべき点も多い. CAS症例すべてに塞栓防止用デバイスを使用している点が, 過去の報告と大きく異なっている. 「はじめに」アテローム血栓性脳梗塞の原因となる頸動脈狭窄症に対する外科治療法として, 頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy:CEA, 図1)と頸動脈ステント留置術(carotid artery stenting:CAS)がある. 両者の優劣またはその使い分けに関しては世界的に長年議論され, 多くの比較試験が行われてきた. そして, 2010年にCEAとCASを直接比較した世界最大規模の無作為化比較試験の結果が報告され, 注目を浴びている. 「CREST研究」CREST(The Carotid Revascularization Endarterectomy vs. Stenting Trial)1)はCEAとCASの有効性・安全性を比較した研究であり, その結果は「CEAとCASの効果は同等」というものであった.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。