【特集 頸動脈治療の新たな展開】
頸動脈狭窄に対する内科的治療の進歩
掲載誌
脳と循環
Vol.17 No.1 31-37,
2012
著者名
脇坂義信
/
矢坂 正弘
記事体裁
抄録
疾患領域
脳血管障害
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
放射線科
媒体
脳と循環
(SUMMARY)無症候性頸動脈狭窄症例における積極的内科治療の効果が, 近年着実に高くなっている. その要因として, シロスタゾールやクロピドグレル, スタチン, インスリン抵抗性改善薬, 降圧薬としてのARBやACE阻害薬, エイコサペンタエン酸など, 抗血栓作用が強い薬剤や狭窄進展抑制作用や内皮修復効果を示す薬剤の登場, および禁煙運動の効果が推定される. 脳血管内科医は徹底的なリスク管理と適切な抗血栓療法を行うとともに, 一方で無症候性頸動脈狭窄症例の中から, 脳梗塞を発症しやすい不安定プラークを有する高リスク症例を見逃さないことも重要である. 「はじめに」「脳卒中治療ガイドライン2009」では, 狭窄率50%以上の症候性頸動脈狭窄病変に対しては抗血小板療法を含む最良の内科治療に加えて, 手術また周術期管理に熟達(手術リスク6%以下)した術者と施設において頸動脈内膜剥離術(CEA)を行うことを推奨している.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。