「実臨床における頸動脈病変の実態」<山田(司会)> 近年, 頸動脈病変の治療件数が増加傾向にあるといわれていますが, その実態は必ずしも明らかではありません. そこで今回は, 高齢者や心房細動など合併症をもつ頸動脈狭窄症を1つのキーワードとして, 頸動脈病変の実態および治療の新たな展開について討議したいと思います. まず, 頸動脈病変の患者数の推移についてお伺いします. <峰松>久山町研究あるいは都市部の疫学調査によれば, アテローム硬化性の脳梗塞あるいは血管病変が近年増加していることは間違いありません. わが国では急激な高齢化に伴って頸動脈病変と心房細動あるいはその他の合併症を併せもった患者数が増加していることも重要です. <岡田>当センターでも, 全身的な疾患と頸動脈病変を合併している患者は非常に増えています. ひと昔前まで余命15年とされていた透析患者も今や余命30年台の時代となり, 腎不全や糖尿病あるいは冠動脈疾患と関連する頸動脈病変の紹介患者も非常に増えています.
【特集 頸動脈治療の新たな展開】
(座談会)頸動脈治療の新たな展開
掲載誌
脳と循環
Vol.17 No.1 11-20,
2012
著者名
山田和雄
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峰松 一夫
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岡田芳和
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坂井 信幸
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伊苅 裕二
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
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脳血管障害
診療科目
循環器内科
/
脳神経外科
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神経内科
/
放射線科
媒体
脳と循環
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。