はじめに  脳アミロイドアンギオパチー(cerebral amyloid angiopathy:CAA)1)は,髄膜や脳血管壁にアミロイドが沈着した病態で,大半はアミロイドβ 蛋白(Aβ)の沈着する病態であり,高齢者やアルツハイマー病患者でしばしば認められる.大脳皮質から皮質下白質に至る脳葉型出血や微小出血,微小梗塞,大脳白質病変など種々の血管障害を生じ,時に多発性であり,再発を繰り返す.手術標本や剖検による病理学的検査が確定診断の決め手となるが,臨床徴候や画像所見から疑うことも多い.今回脳出血後の適切な血圧管理にもかかわらず,計4回の脳出血再発を繰り返し,CAA関連脳出血が疑われた症例を経験した.