他科専門医からみた脳卒中
眼科からみた脳卒中
Ophthalmological Aspect of Brain Stroke
脳と循環 Vol.16 No.2, 39-43, 2011
SUMMARY
脳卒中による眼症状は視力障害,視野障害,眼球運動障害,眼振など多岐にわたり,まず眼科を初診することも多い.生命に関わる場合もあり,患者の訴えや眼症状および所見から病変部位を推測し,神経内科や脳外科など専門医へ迅速に連携していくことが必要となる.脳卒中でみられる眼症状について眼科的観点から解説した.
KEY WORDS
脳卒中 眼虚血症候群 眼球運動障害 眼振 中枢性視野障害
はじめに
脳卒中など頭蓋内病変を原因とする複視や眼振,視野狭窄の患者は,まず眼科を受診することも多い.時には生命に関わる場合もあり,患者の訴えと症状,所見からなるべく早く病変部位を推測し,頭蓋内病変の検索を行い,神経内科や脳外科などの専門医との協力が必要になる.
脳梗塞で生ずる眼症状としては一過性黒内障発作,網膜中心動脈閉塞症などを含む眼虚血症候群,核性脳神経麻痺(動眼神経麻痺,滑車神経麻痺,外転神経麻痺),斜偏位,核間麻痺(内側縦束症候群),水平および垂直注視麻痺,Horner症候群,後天性眼振,中枢性視野障害などがあげられる.障害血管による眼症状を表1に示す.
脳出血では脳梗塞と異なり血流支配に一致しない神経学的所見を呈し,頭痛や嘔吐などを伴うことが多い.
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。