全文記事
糖尿病と脳卒中
糖尿病患者における脳卒中予防
掲載誌
脳と循環
Vol.15 No.2 35-40,
2010
著者名
鴨打正浩
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
高血圧
/
糖尿病
/
脳血管障害
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
脳神経外科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
神経内科
/
血液内科
/
老年科
媒体
脳と循環
「SUMMARY」 糖尿病患者における脳卒中予防には, ACE阻害薬やARBを用いた血圧管理, スタチンによる脂質管理が重要である. 一方, 厳格な血糖管理は脳卒中を予防できず, 心筋梗塞において認められるような遺産効果が脳卒中に対しても認められるかどうかは明確ではない. メトホルミンには脳卒中リスクの低減作用が期待されるが, チアゾリジン薬の長期予後については今後の検討が必要である. 併存する複数の危険因子を早期から厳格に管理することが, 脳卒中予防に最も有効と考えられる. 「糖尿病と脳卒中」 糖尿病は脳卒中のリスクであり, 糖尿病は脳卒中の発症を2~3倍に増加させる. 久山町研究では, 脳卒中イベント発生率は非糖尿病患者で1.9~2.3/1,000人・年であるのに対して, 糖尿病患者では6.5であった1). 2007年の国民栄養調査の結果では, 糖尿病が強く疑われる人は約890万人, 可能性が否定できない人は約1,320万人と推定され, 10年前と比較して約1.3倍に増加した.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。