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脳卒中治療・予防に画像診断は役立つか?
インターベンション時代の超急性期画像診断:CTか?MRIか?
掲載誌
脳と循環
Vol.14 No.3 21-26,
2009
著者名
平野 照之
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
脳血管障害
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
手術・救急
/
放射線科
媒体
脳と循環
「SUMMARY」rt-PA静注療法では, CTまたはMRIを用いて出血を除外し, 早期虚血変化を的確に判読する. 撮像・表示条件を標準化し, 範囲判定にはASPECTS, ASPECTS-DWIという客観的指標を用いる. CTとMRIの選択は, 同条件・同時間に撮れるのであれば情報量(MRA, mismatch, T2 *)の多いMRIが推奨される. J-ACT IIは, CTでASPECTS 7点以上, MCA閉塞をMRAで確認した症例を対象に実施され, 良好な成績を収めた. 「はじめに」rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法での画像診断の役割は, 脳出血の確実な除外, 治療効果を出血リスクが上回る例を除外, の2点に集約される. 後者は適正治療指針1)で, CTの広範な早期虚血変化と, CT/MRI上の圧排所見(正中構造偏位)が禁忌とされる. 日本はCTとともにMRIの普及率も高く, 超急性期にMRI firstでrt-PA適応を決定する施設も多い.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。