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脳血管障害と高血圧
脳血管障害と高血圧
―疫学的立場から―
掲載誌
脳と循環
Vol.14 No.1 19-21,
2009
著者名
秦淳
/
清原裕
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
高血圧
/
脳血管障害
診療科目
一般内科
/
循環器内科
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脳神経外科
/
腎臓内科
/
神経内科
/
老年科
媒体
脳と循環
「SUMMARY」福岡県久山町の疫学調査の成績によれば, 1960年代から2000年代にかけて高血圧頻度に大きな時代的変化はなかったが, 降圧治療の普及により高血圧者における血圧レベルが大幅に低下した. しかし, 現代でも高血圧者の約半数は未治療であり, 高血圧管理は十分に浸透しているとは言い難い. 血圧レベルの上昇とともにすべての脳梗塞タイプの発症率は上昇するが, 特にラクナ梗塞の発症率は正常高値の血圧レベルから有意に高くなり, 高血圧との関連が強かった. 「はじめに」脳血管障害はわが国の主要死因の1つであるとともに, 身体・知的機能に後遺症を残し, 寝たきりや認知症の原因となる. その予防には, 日本人の脳血管障害の実態とその危険因子を正確に把握する必要がある. 一方, 高血圧は脳血管障害の強力な危険因子の1つと考えられている. 本稿では, 福岡県久山町における長期にわたる疫学調査の成績を用いて, 地域住民における高血圧頻度の時代的推移を明らかにし, 次いで脳血管障害のうち最も頻度の高い脳梗塞をタイプ別に分け, 高血圧との関係について検討する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。