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脳血管イベント抑制とマルチプルリスクマネージメント

マルチプルリスクファクターと抗血栓療法

内山真一郎

脳と循環 Vol.11 No.3, 53-59, 2006

「I はじめに」 血管性危険因子が重複するほど脳梗塞や心筋梗塞などのアテローム血栓症のリスクは増大することが知られている. アテローム血栓症は, 不安定粥腫の破綻を契機に形成される血小板血栓による動脈の閉塞に起因することから, 血小板依存性疾患病態であると理解されており, 実際それらの二次予防には抗血小板療法が有効であることが, 多くのランダム化比較試験(RCT)やそれらのメタ解析により証明されている1). しかしながら, 危険因子を複数有するのみであり, まだ血管イベントを生じていない症例に抗血小板療法による血管イベントの一次予防効果があるか否かは, まだ十分なエビデンスがなくコンセンサスが得られていない. 本稿では, 複数の血管性危険因子を有するアテローム血栓症の高リスク患者において, 抗血小板薬の一次予防効果に関する現時点でのエビデンスとコンセンサスを述べてみたい. 「II アスピリンの脳卒中一次予防効果」 抗血小板薬のなかで最も豊富なエビデンスがあり, 医療経済効果の大きいのはアスピリンであることから, 一次予防を目的とした抗血小板薬はアスピリンが第一選択薬であることには異論がないであろう. Physician's Health Study 2)では, 2万例以上の男性医師において325mg/日のアスピリンの有効性と安全性を平均60ヵ月間追跡調査して検討したが, 脳卒中は有意ではないもののわずかに増加し, この傾向は出血性脳卒中において観察された.

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