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第85回クロマチンのダイナミック変動とヒストンバリアント ヒストンバリアントによるエピゲノム制御
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.22 No.2 59-62,
2015
著者名
原田哲仁
記事体裁
抄録
疾患領域
癌
診療科目
一般外科
/
泌尿器科
/
血液内科
/
腫瘍内科
媒体
Surgery Frontier
「はじめに」細胞の分化や細胞応答は遺伝子発現により行われる。遺伝子の発現は,核内でコンパクトに収納され,クロマチン構造を形成しているゲノム上で行われ,細胞に必要な遺伝子の選択とクロマチン構造の弛緩というステップを経て,適切に発現されなければならない。このような同一塩基配列のゲノムをもつ細胞が,特異的な遺伝子発現の獲得により個性を発揮する機構をエピゲノム制御という。近年,DNAに直接巻き付く蛋白質であるヒストンの亜種(ヒストンバリアント)が,初期のエピゲノム制御にかかわることが明らかになりつつある。本稿では,ヒストンバリアントによるエピゲノム制御機構について,最近のわれわれの知見を含めて紹介する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。