「Summary」ブラウ症候群は,細胞内パターン認識受容体のひとつであるNOD2遺伝子の変異により,主に皮膚,関節,眼に肉芽腫をきたす疾患である。消化管に肉芽腫をきたすクローン病においてもNOD2に変異が同定されるが,クローン病ではリガンドに対する応答性が低下する機能喪失型の変異が同定されるのに対して,ブラウ症候群では同定される変異の部位が異なり,同じNLR family分子に属する分子の変異により特徴的な臨床像を呈するクリオピリン関連周期熱での知見から,ブラウ症候群で確認される変異は機能獲得型と考えられる。しかしながら,患者末梢血を用いた検討や,疾患関連Nod2変異を導入したモデルマウスでの検証では,必ずしもブラウ症候群の変異が機能獲得型であることを示すデータが得られていない。この矛盾を明らかにし,分子機構に基づいた治療法の確立を目指して,われわれは患者由来iPS細胞を用いた検証に着手している。
「Key Words」ブラウ症候群,NOD2,自己炎症症候群,肉芽腫,NF-κB
「Key Words」ブラウ症候群,NOD2,自己炎症症候群,肉芽腫,NF-κB