腫瘍をめぐるQ&A
Question 急性胆嚢炎に対する手術のタイミングについて教えてください
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.22 No.1 84-86,
2015
著者名
金村剛志
/
浅岡忠史
/
富丸慶人
/
友國晃
/
和田浩志
/
川本弘一
/
丸橋繁
/
江口英利
/
梅下浩司
/
土岐 祐一郎
/
森 正樹
/
永野浩昭
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
診療科目
手術・救急
/
消化器外科
媒体
Surgery Frontier
「Answer」急性胆嚢炎に対する手術時期に関しては古くからさまざまな比較検討がなされており,早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術が術後死亡率や合併症,入院日数の面から考え望ましいという結果が示された1)-3)。わが国では2005年に発表された「急性胆管炎,胆嚢炎診療ガイドライン第1版」では発症から96時間以内の胆嚢摘出術を推奨していた。2007年初の国際的ガイドラインとして発表され,2012年更新された「Updated Tokyo Guidelines for acute cholangitis and cholecystitis」(TG13)では,推奨される早期手術の時期は発症から72時間以内に改訂された4)-6)。当ガイドラインでは急性胆嚢炎の重症度に応じた治療指針を提示している(表1,図1)7)8)。重症度Grade Ⅰ,一部を除いたGrade Ⅱの急性胆嚢炎は,発症から72時間の腹腔鏡下胆嚢摘出術の適応とされている。Grade Ⅱのうち,壊死性胆嚢炎等の重度の局所炎症所見をともなう場合は施設の経験に応じて緊急腹腔鏡または開腹手術の適応となる。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。