腫瘍をめぐるQ&A
              
 Question miR-26aの血管新生阻害効果について教えてください
                  掲載誌
                
 
                  Surgery Frontier
                  Vol.22 No.1 81-83,
                  
                    2015
                  
 
                    著者名
                  
  
                          野口幸蔵
                        / 
                          今野雅允
                        / 
                          石井 秀始
                        / 
                          川本弘一
                        / 
                          江口英利
                        / 
                          永野浩昭
                        / 
                          土岐 祐一郎
                        / 
                          森 正樹
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          抄録
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          消化器
                        / 
                          癌
                        
                    診療科目
                  
  
                          消化器内科
                        / 
                          腫瘍内科
                        / 
                          放射線科
                        / 
                          消化器外科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      Surgery Frontier
                    
 「Answer」microRNA(miR)は細胞内に存在する長さ21~25塩基長のnoncoding RNA(非翻訳RNA)であり,自身と相補的な配列をもつmRNAの3'-UTR領域に結合することでmRNAの翻訳抑制や分解を促進し,さまざまな遺伝子の転写後調節を行う重要な制御機構である。miR-26aは,これまでに平滑筋細胞の分化制御や,肝癌など悪性腫瘍における細胞周期の制御を介した造腫瘍能,転移・浸潤能などに関する報告がなされていたが1)-3),近年になって血管新生にも重要な役割を果たしているとの報告がみられるようになってきた。Icliらは,血管新生時に血管内皮細胞の細胞内で起こっているmicroRNAの発現変化を調べるために,Tumor Necrosis Factor α(TNF-α)刺激による血管新生誘導を行い,細胞内のmicroRNAを網羅的に解析した。その結果,miR-26aが血管新生誘導によって有意に減少することを見出し,さらにmiR-26aの標的分子としてSmad1を特定した4)。
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。