Answer
「はじめに」1 癌幹細胞
癌組織内が癌幹細胞を母体として発生しているという癌幹細胞説が白血病において報告され,以後固形癌においても癌幹細胞の存在が注目されている1)2)。癌幹細胞説とは,不均質性の高い癌組織内に,正常組織の幹細胞のごとく自己複製能と多分化能をもつ親玉癌細胞が存在し,自己複製を繰り返しながら子孫癌細胞を産生し癌組織を構築,維持していくという説である。特定の細胞群を分離できるフローサイトメトリーの開発,正常組織における幹細胞の研究の進歩,癌発生実験モデルであるNOD/SCIDマウスの開発などにより癌幹細胞研究は進歩し,現在では固形癌癌腫特異的な表面抗原マーカーが報告されている3)-5)。これらで分離された癌幹細胞は,in vitroにおいて高いsphere形成能を示し,in vivoにおいてはごく少数の細胞でも免疫不全マウスにおける腫瘍形成能を示しうる3)-5)。
「はじめに」1 癌幹細胞
癌組織内が癌幹細胞を母体として発生しているという癌幹細胞説が白血病において報告され,以後固形癌においても癌幹細胞の存在が注目されている1)2)。癌幹細胞説とは,不均質性の高い癌組織内に,正常組織の幹細胞のごとく自己複製能と多分化能をもつ親玉癌細胞が存在し,自己複製を繰り返しながら子孫癌細胞を産生し癌組織を構築,維持していくという説である。特定の細胞群を分離できるフローサイトメトリーの開発,正常組織における幹細胞の研究の進歩,癌発生実験モデルであるNOD/SCIDマウスの開発などにより癌幹細胞研究は進歩し,現在では固形癌癌腫特異的な表面抗原マーカーが報告されている3)-5)。これらで分離された癌幹細胞は,in vitroにおいて高いsphere形成能を示し,in vivoにおいてはごく少数の細胞でも免疫不全マウスにおける腫瘍形成能を示しうる3)-5)。