腫瘍をめぐるQ&A
Question C型肝炎ウイルスとスタチン・肝細胞癌との関連について
Surgery Frontier Vol.21 No.3, 87-89, 2014
「Answer」 近年, C型肝炎に対する新たな治療薬として, プロテアーゼ阻害剤やポリメラーゼ阻害剤の開発が飛躍的に進んでおり, わが国でも, これまでの標準的な治療法であるPEGインターフェロン(PEG-IFN)とリバビリン(RBV)併用療法にプロテアーゼ阻害剤を加えた3剤治療が認可され, 難治性のGenotype 1b型の患者に対しても, ウイルス学的著効(sustained virological response ; SVR)率が70%にまで向上しつつある. しかし, 副作用や高齢者, 耐性ウイルスの出現などの問題もあり, 今後もPEG-IFN/RBV併用療法が主要な治療のひとつであり, その効果を改善させるためのさまざまな工夫がなされてきた. その工夫のひとつとして, 高脂血症治療薬のHMG-CoA還元酵素阻害剤であるスタチン製剤の併用が挙げられる. Yeらは, in vitroにおいてスタチン製剤のひとつであるlovastatin(国内未承認)がC型肝炎ウイルス(hepatitis C virus ; HCV)のRNA複製を抑制することを初めて報告した1).
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