バイオマーカーをめぐるQ&A
Question 胃癌におけるmicroRNA21/PTEN経路を介したトラスツズマブ耐性
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.21 No.2 104-107,
2014
著者名
江藤弘二郎
/
岩槻政晃
/
石本崇胤
/
馬場 秀夫
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器内科
/
腫瘍内科
/
消化器外科
媒体
Surgery Frontier
「Answer」「トラスツズマブの耐性」Human epidermal growth factor receptor (HER2)は上皮成長因子受容体ファミリーに属し, 細胞増殖因子の刺激によって細胞分化・増殖を促進している. HER2の発現は乳癌の進展に関与することが明らかとなり, 抗HER2抗体薬の開発によりその治療成績は飛躍的に向上した. 胃癌においてHER2の発現は7~34%と報告され1)-3), ToGA試験の結果, 抗HER2抗体薬のひとつであるトラスツズマブの化学療法との併用の有効性が示された4). しかし, 乳癌においては1年以内にトラスツズマブへの耐性が生じるとの報告がなされ, 実臨床では耐性化が問題となっているが, その分子メカニズムは明らかではない5). 耐性のメカニズムとして, (1)下流シグナルの変化 (2)Insulin-like growth factors1 receptor(IGF1R)などによるトラスツズマブとHER2受容体との結合阻害 (3)Mucin4(MUC4)などほかの受容体の関与が考えられている6)-8).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。