バイオマーカーをめぐるQ&A
Question 大腸癌の新たな予後因子としての血中PLS3発現
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.21 No.1 106-109,
2014
著者名
横堀武彦
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杉町圭史
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飯沼久恵
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三森功士
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桑野博行
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森 正樹
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
一般外科
/
腫瘍内科
/
消化器外科
媒体
Surgery Frontier
「Answer」 「はじめに」 近年, 癌患者の血液を循環する循環癌細胞(circulating tumor cells ; CTCs)は癌の遠隔転移メカニズムとしてだけでなく, 新規マーカーとしても注目されている. 現行のCTC検出システムは, 本来血液中に存在しないEpCAMやサイトケラチンなどの上皮マーカーを血液由来検体で測定, 評価することでCTCを検出している. 一方, 通常血液中に浸潤した癌細胞の大部分はアノイキスが誘導され生存できないが, 癌細胞の転移浸潤メカニズムとして注目されている上皮間葉移行(epithelial-mesenchymal transition ; EMT)が誘導された上皮マーカー陰性の癌細胞は血液中でも生存可能と考えられている. それゆえ, 現行のCTC検出システムでEMTが誘導された悪性度の高いCTCを見逃すことが示唆されており, そのようなCTCを検出するマーカーの開発が求められている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。