What's New in protease inhibitor
急性血液浄化療法とプロテアーゼインヒビター
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.20 No.3 109-113,
2013
著者名
鈴木泰
/
遠藤重厚
記事体裁
抄録
疾患領域
血液
/
感染症
診療科目
血液内科
/
麻酔科
/
手術・救急
媒体
Surgery Frontier
「Summary」重症感染症から重症敗血症, 敗血症性ショックに移行すると, 重篤な病態となり多臓器不全に陥り高度な集中治療を要する病態となる. 感染病巣への適切なアプローチと同時に, 病態を早期に正しく把握する必要があるが, われわれの施設でも積極的に施行している急性血液浄化療法によるメディエータ対策が救命率向上に大きく寄与していると考える. このような高サイトカイン血症の病態では, 敗血症性DICとして著しい凝固異常症をきたす. 安全かつ有効な急性血液浄化療法を施行するためには, 適切な凝固線溶系のモニタリングと適切な体外循環に用いる抗凝固薬の使用が重要である. 本邦では, ナファモスタットメシル酸塩(nafamostat mesilate;NM)が急性血液浄化療法の抗凝固薬として多く使用されている. NMは半減期が短く, その作用が体外循環回路内に限局し作用するため, 重篤な凝固異常症患者においても使用することができる. プロテアーゼインヒビターであるNMの作用についてまとめ, いかに重篤な重症敗血症患者に安全な急性血液浄化療法が施行できるか述べたい.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。