腫瘍をめぐるQ&A
Question 癌幹細胞の最新の知見と治療抵抗性
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.20 No.3 102-104,
2013
著者名
賀川義規
/
山本 浩文
/
石井 秀始
/
森 正樹
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
一般外科
/
消化器内科
/
腫瘍内科
/
消化器外科
媒体
Surgery Frontier
「Answer」癌幹細胞は, 白血病1)で初めて発見されて以来, 脳腫瘍2), 乳癌S), 大腸癌4)などの固形腫瘍において報告されてきた. その存在の証拠は, 主に, ごくわずかなヒト腫瘍細胞集団をマウスに移植した際に広範囲に増殖し, 新たな腫瘍を形成することができた実験から得られている. これらの移植実験から癌幹細胞について確かな結論を出すには, あまりにも沢山の因子が関与していると考えられてきた. 分子生物学的手法を用いて腫瘍細胞を標識することによって, 動物モデルで潜在的な癌幹細胞をラベリングし, 癌幹細胞の存在が腫瘍形成や治療抵抗性に深く関与していることが近年証明されている. これまでにすでに, 癌幹細胞の存在が提唱され, 癌幹細胞が継続的に癌細胞を生み出し, それにより腫瘍が形成や治療抵抗性に関与しているのだと考えられてきた. しかし, それを実際に証明した研究は存在しなかった.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。