実験講座
培養脳スライスを用いた新生ニューロンのライブイメージング
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.20 No.3 93-97,
2013
著者名
藤掛数馬
/
匹田貴夫
/
祖父江和哉
/
澤本和延
記事体裁
抄録
疾患領域
神経疾患
/
再生医療
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
媒体
Surgery Frontier
「Sammary」近年の研究によって, 再生医療は多くの難治性疾患に対する新たな可能性を生み出した. 中枢神経系においても例外ではなく, 再生医療の臨床応用に期待が寄せられている. 培養脳スライスを用いたライブイメージングは脳の再生医学における強力な研究手段のひとつであり, 必要不可欠な手法である. 本稿では, 筆者らが実際に行っている培養脳スライスを用いた新生ニューロンのライブイメージングの実験手順概説と, それを用いた実験例について紹介する. 「はじめに」脳梗塞の治療は最新の研究成果をもとに治療基準が更新され, 急性期死亡率の改善が認められている. しかし, 脳梗塞後遺症や脳血管性痴呆患者の介護は大きな社会問題となっており, ダメージを受けた脳組織そのものを再生させる再生医療が期待されている1). 現在, 筆者らは, ゼブラフィッシュ・マウス・コモンマーモセットのさまざまな病態モデルを用いて, 脳に内在する神経幹細胞によって脳細胞が再生される過程をイメージングし, その分子・細胞機構を解明するとともに, 再生を促進する技術を開発するための研究を進めている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。