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第78回臓器星細胞の機能 膵線維化と膵星細胞
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.20 No.3 80-83,
2013
著者名
眞嶋浩聡
/
大西洋英
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器内科
/
腫瘍内科
/
消化器外科
媒体
Surgery Frontier
「膵線維化とは?」組織に障害が及ぶと生体はそれに反応して修復を図る. この創傷治癒機転がコントロールを失い, 過剰な細胞外器質(extracellular matrix;ECM)の集積が起こると, 線維化が生ずる. 感染, アレルギー反応, 毒物, 放射線, 組織の挫滅, 自己免疫反応などにより組織に障害が及ぶと, 障害された細胞を取り除き, 同種の細胞で置換する"再生"もしくは, 結合組織が正常組織を置換する"線維化"により修復が起こる. 血流の変化, 浮腫, 好中球の浸潤などを特徴とする急性炎症と異なり, 線維化では慢性的な炎症の持続により, サイトカイン, ケモカイン, 増殖因子, 脈管形成因子などが産生され続け, 結合組織の産生・沈着・再構成が起こり, 正常組織が破壊されていく. 組織障害が高度になると臓器不全を生ずる. この線維化の重要なメディエーターが筋線維芽細胞である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。