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特集 肥満の基礎と臨床

特集によせて 肥満の疫学と最近のトピックス

平田公一小川宰司河野剛石井雅之及能大輔九冨五郎木村康利水口徹

Surgery Frontier Vol.20 No.3, 9-14, 2013

「はじめに」肥満は体脂肪が蓄積した状態で, その本質は主として中性脂肪の脂肪細胞内蓄積と脂肪細胞の肥大, そしてその細胞数の増加状態である. 外科領域で注目されているのは, 肥満が生体反応に不都合な影響を及ぼしうる危険性を内在させている点にある. たとえば, インスリン抵抗性については外科的ストレス下病態においてコントロールの面倒な課題として, 古くより討論されてきたことが挙げられる. もし肥満症例で重症病態に陥るほど不都合な生体反応が生じれば, その管理の難しいことを経験する. その成因として, 脂肪組織におけるアディポサイトカイン産生調節の破綻により, 脂肪細胞などからTNF-α, 飽和脂肪酸が産生され, 肝臓や筋肉などの受容体に作用し全身性にインスリン抵抗性が惹起されるゆえとのことが, その一因と考えられている1). またmonocyte chemoattractant protein-1(MCP-1)などのケモカイン産生が加わりマクロファージを活性化し, さらにTNF-α, IL-6, IL-1β, NOなどの産生亢進がみられ, インスリン抵抗性を助長させる要因ともいわれている2).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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