腫瘍をめぐるQ&A
Question 膵尾側切除における腹腔鏡手術の有用性
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.20 No.2 116-119,
2013
著者名
古川健太
/
江口英利
/
永野浩昭
/
森 正樹
/
土岐 祐一郎
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
手術・救急
/
消化器外科
媒体
Surgery Frontier
「Answer」近年, 消化器外科領域における腹腔鏡手術は, 技術の進歩や機器の開発によって適応が広がってきている. 胃癌や大腸癌については健康保険で以前より認められており, 肝胆膵領域においては, 2010年に腹腔鏡下肝部分切除術や肝外側区域切除術が保険収載された. 膵切除における腹腔鏡手術も, 膵体尾部切除術や核出術がこれまで先進医療として施行されてきたが, 2012年の診療報酬改定により, 対象疾患や施設基準が定められてはいるものの保険診療として認められるようになった. 腹腔鏡下膵切除は欧米においては積極的に行われてきており, その安全性・有用性が報告されてきている1). わが国における腹腔鏡下膵切除は1990年代から一部の施設で行われ始め2)3), なかでも腹腔鏡下の膵尾側切除は1996年頃から報告されるようになった4)5). 膵尾側切除は, 膵頭十二指腸切除とは違い再建操作の必要性がなく, 比較的腹腔鏡手術導入が容易であるため, 徐々に症例数を増やしてきた.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。