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What's New in SURGERY FRONTIER

第76回消化器の幹細胞 肝細胞

三高俊広

Surgery Frontier Vol.20 No.1, 74-77, 2013

「はじめに」肝硬変症や肝癌などによる肝機能不全患者を内科的に治療することは困難であり, 唯一の根治的治療法は肝移植のみである. 改正臓器移植法により脳死体からの肝移植は増加しているが, 圧倒的にドナー肝臓は少なく, その不足は深刻である. そのため, 臓器移植に代わる治療法として細胞移植に注目が集まっている. 肝機能不全患者に細胞移植する目的は, 低下している肝機能の代替であるから, 機能細胞である肝細胞の移植が適当であるのだが, その肝細胞の供給は, 移植不適な肝臓からのものに限られているため, 現状ではほとんど期待できない. ヒトES細胞やiPS細胞などの胚性・多能性幹細胞から“肝細胞機能をもった細胞”を誘導できるとの研究報告は, 移植可能な“肝細胞”をin vitroで作り出すことができるのではないかとの期待を大いに抱かせるものである. その誘導肝細胞を使えば, in vitroやin vivoで病態を再現することも可能になり, 効果的な薬剤の開発も容易になるであろうとの期待も大きい.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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