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第76回消化器の幹細胞 膵臓の幹/前駆細胞
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.20 No.1 70-73,
2013
著者名
大垣総一郎
/
粂昭苑
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
再生医療
診療科目
一般外科
/
消化器外科
媒体
Surgery Frontier
「はじめに」膵臓は内胚葉に由来し内分泌細胞, 外分泌細胞, 膵管細胞から構成される. さらに, 内分泌細胞はインスリン陽性のβ細胞やグルカゴン陽性のα細胞, ソマトスタチン陽性のδ細胞, 膵ポリペプチド陽性のPP細胞などから構成される. 幹細胞は, 自己複製能と多分化能をあわせもつ細胞と定義され, 前駆細胞との違いは自己複製能をもつ点にある. 正常時においてはゆっくりと組織の維持に寄与するが, 障害時に組織を修復するために動員されると想定されている. 本稿では, 胎仔期, 成体期における膵臓幹/前駆細胞, そして, 多能性幹細胞由来の膵臓幹/前駆細胞について述べる. 成体期の幹細胞は正常時と障害時における報告があるがここでは, 正常時の幹細胞について最近の報告をまとめた. 「胎仔期の膵臓前駆細胞」マウスの膵臓は胎生9日目頃までに前腸の背側, 腹側領域に膵前駆細胞マーカーPdx1遺伝子が発現することにより規定される.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。