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 第76回消化器の幹細胞 下部消化管上皮幹細胞~最新の知見
                  掲載誌
                
 
                  Surgery Frontier
                  Vol.20 No.1 66-69,
                  
                    2013
                  
 
                    著者名
                  
  
                          油井史郎
                        / 
                          中村哲也
                        / 
                          渡辺守
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          抄録
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          消化器
                        
                    診療科目
                  
  
                          一般外科
                        / 
                          消化器内科
                        / 
                          消化器外科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      Surgery Frontier
                    
 「腸管上皮の組織構築」腸管上皮は, 単層に配置する上皮細胞がクリプトと呼ばれる陰窩構造と絨毛と呼ばれる突起構造を構造単位とし形成される. 大腸には絨毛構造はみられない. 分裂能を有する幹細胞・未分化細胞はクリプト底部に, 特定の機能を有する終末分化細胞が絨毛側に局在している. 終末分化細胞には吸収上皮細胞・杯細胞・神経内分泌細胞が知られている. 小腸上皮クリプト底部に存在するパネート細胞については, 大腸上皮にも同様の分泌系細胞が存在することや, 腸管上皮幹細胞の自己複製を補助するニッチ細胞としての機能があることなどが報告され, 注目されている1). 腸管上皮幹細胞の本態やその局在については議論が続いている. すなわち, リニエージトレーシング法により, クリプト底部にある円柱状(crypt base columnar;CBC)細胞, およびクリプト底部から絨毛側に移動した+4位置にある細胞(+4細胞)の両者ともに幹細胞性を有する可能性が示唆され, 両者それぞれに分子マーカーが同定されている(図1).
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。