【特集 癌関連のノーベル賞1(方法の発見・発明編)】
核酸の分子構造および生体の情報伝達におけるその重要性の発見(1962年)
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.20 No.1 15-20,
2013
著者名
関谷剛男
記事体裁
抄録
疾患領域
癌
診療科目
一般外科
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呼吸器内科
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脳神経外科
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整形外科
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産婦人科
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消化器内科
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形成外科
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皮膚科
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泌尿器科
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血液内科
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耳鼻咽喉科
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腫瘍内科
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消化器外科
媒体
Surgery Frontier
「Summary」James WatsonとFrancis CrickによるDNA二重らせん構造モデルの提唱は, 遺伝情報の分子構造ならびにその伝達機構を見事に説明した, まさに分子生物学の誕生であった. DNAは, 1本の同じ軸の周りに, 構成原子の配列が逆方向の2本の右巻きのらせん鎖で構成される二重らせん構造をとっている. らせん鎖の骨格は, 糖とリン酸部分が交互に並んだ長い構造で, 各糖には塩基が結合している. 塩基は内側に位置し, リン酸基は外側に面している. 一方の鎖からの塩基が, もう一方の鎖の一塩基とのあいだで, 水素結合で結合している. 二重らせん構造模型を可能にするためには, 塩基対の一方はプリンで, もう一方はピリミジンでなければならない. アデニンとチミジン, グアニンとシトシン間の塩基対である. この特定塩基間の対形成により, 一方の鎖上の遺伝情報としての塩基配列は, 自動的に相手の鎖上の相補的塩基配列として決定される.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。