実験講座
Kaedeマウスを用いた免疫細胞の追跡法
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.19 No.4 75-78,
2012
著者名
椛島健治
記事体裁
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
膠原病・リウマチ性疾患疫
/
皮膚疾患
診療科目
アレルギー科
/
膠原病科
/
皮膚科
媒体
Surgery Frontier
「Summary」Kaede蛋白は珊瑚の一種から発見された蛋白の一種であり, 定常状態では明るい緑色の蛍光を発する. しかし, 紫外線(350~400nm)や, バイオレットライト(436nm)など特定の波長の光を吸収すると, その蛋白立体構造が変換され, 赤色の蛍光を発するという特徴的な性質をもち, 光変換蛋白(photo-convertable protein)と呼ばれる. 光変換自体の細胞機能への影響はほとんどないため, 細胞の新たなラベリング手法として注目を浴びている. このマウスを用いることにより, ある特定部位に存在する細胞の生体内における動態を追跡することが可能となる. 「はじめに」皮膚には定常状態においても少なからずTリンパ球が存在し, 炎症時にはさらに多数のTリンパ球が浸潤する. 皮膚に浸潤したTリンパ球の動態は, 皮膚細胞の効果的なラベリング法が存在せず長年不明であったが, 近年, 光変換蛋白を利用したラベリング手法により, その動態が明らかとされた.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。