特集 がん関連データベース, その特徴と今後の展開
NCD登録データを利用した消化器外科専門医制度の構築
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.19 No.4 19-24,
2012
著者名
今野弘之
/
神谷欣志
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
一般外科
/
消化器外科
媒体
Surgery Frontier
「Summary」消化器外科専門医制度は本邦における専門医制度のなかでも, 歴史と実績があり最も整備されている制度のひとつである. NCD(National Clinical Database)事業は2011年100万例以上登録がなされたが, 消化器外科専門医制度の後ろ盾が大きく寄与した. 今後NCDに登録されたデータを利活用することにより, 本邦の外科医療の進歩に資することが期待されている. NCD事業の定着のためには, データ登録を簡便化し, 有益で客観性のあるデータ解析を行うことが必要であるが, これにより消化器外科専門医の「実力」が示され, インセンティブにつながることが望まれる. 一方で, データ解析により, 地域間格差, 施設間格差, さらには専門医間の差も明確となる可能性もある. 公表に際しては十分な検討が必須で, 消化器外科学会を始めとする参加学会とNCD機構とが協議を重ねたうえで, 公表基準を策定することになる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。