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第72回代謝制御因子のアップデート インクレチンミメティクス
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.19 No.1 64-67,
2012
著者名
下田将司
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
糖尿病
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
神経内科
/
老年科
/
小児科
媒体
Surgery Frontier
インクレチンは, 摂取した栄養素の刺激によって, 腸管から分泌され, 膵インスリン分泌促進に働くホルモンの総称である. インクレチンとして同定されている主なものに, グルカゴン様ペプチド-1(glucagon like peptide-1;GLP-1)およびグルコース依存性インスリン刺激ペプチド(glucose-dependent insulinotropic peptide ; GIP, 別名:胃機能抑制ペプチド:gastric inhibitory peptide)の2種類がある. インクレチンミメティクスは, インクレチンと同様の作用をもつ治療薬を指すが, 実際にはGLP-1受容体作動薬のみが, 用いられている. 糖尿病患者にGLP-1を投与すると血糖依存性インスリン分泌が増強されるのに対し, GIPではその作用がみられない12)ことがその背景にある. この原因のひとつは高血糖持続にともなう膵β細胞膜上のGIP受容体発現量の低下であるが, 厳格に血糖を正常化するとGIP受容体発現量が回復し, GIPに対する反応性が改善することも報告されている3-5).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。