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第72回代謝制御因子のアップデート グレリン
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.19 No.1 60-62,
2012
著者名
松元信弘
/
中里雅光
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
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消化器
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腎臓
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骨・関節
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癌
診療科目
循環器内科
/
整形外科
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消化器内科
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腎臓内科
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糖尿病・代謝・内分泌科
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泌尿器科
/
消化器外科
媒体
Surgery Frontier
「はじめに」グレリンは, 児島, 寒川らによって1999年ヒトの胃から発見されたペプチドで, 当初は成長ホルモン(GH)分泌を強力に刺激するGrowth Hormone Secretagogue Receptor(GHS-R)の内因性リガンドとして知られていた1). 中里らによりグレリンが強力な摂食亢進作用をもつことが報告され2), その後エネルギー同化3)4), 抗炎症5)6), 心機能改善7)8), 自律神経調整9), 消化管運動刺激10)などさまざまな作用が報告された. 現在, さまざまな臨床領域でこの多彩な作用を新規治療へ展開する研究が行われており, 人工関節置換術後11), 消化器癌術後12), 摂食障害13), 機能性ディスペプシア14), 癌カヘキシア15), 慢性心不全カヘキシア16), 慢性腎不全カヘキシア17)にグレリンを投与する臨床試験の結果が報告されている. 「グレリン産生とGHS-R分布」グレリンは28個のアミノ酸からなり(図1), 3番目のセリン残基がオクタン酸によりアシル化されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。