Summary  3月11日の震災,津波により,人口約71000人の南相馬市では死亡者633人,行方不明者33人の人的被害を受けた。その後の原発事故により,人口は一時約1万人にまで減少した。当院は原発より23kmに存在し,3月18日に入院患者の避難指示を受け,3月20日には入院患者は0人となった。その後,4月22日に緊急時避難準備区域に指定され,子ども,妊婦,要介護者,入院患者はこの地域への立ち入りが禁止された。5月19日より脳外科に限り5床,72時間以内,6月20日には診療科に制限のない70床の短期入院が認められた。しかし,この入院規制と医療圏の人口の減少にともない,市内の病院では医療収益が激減し経営は困難となり,医師,看護師も減少し医療崩壊の状態となった。現在,当院では救急医療の維持,およびこの地域での生活が安全であることを示すべく,ホールボディカウンターによる内部被曝検診を主な業務として市の復興に寄与したいと考えている。