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悪性腫瘍に対する熱凝固療法の適応と限界

【Ⅰ.RFA】肝細胞癌

Radiofrequency ablation for hepatocellular carcinoma

椎名秀一朗

Surgery Frontier Vol.18 No.3, 39-43, 2011

Summary
 肝細胞癌では,肝硬変の合併による肝機能低下や診断時すでに病変が多発しているため,切除適応例は全症例の20~30%である。さらに,根治的切除後も微小肝内転移や異時性多中心性発癌のため,5年以内に70~80%で再発が見られる。このため,Interventional radiology(IVR)などを利用した非外科的治療が開発されてきた。経皮的ラジオ波熱凝固療法(Radiofrequency ablation:RFA)は,主に超音波ガイド下に電極を病変部位に挿入し,高周波を使って電極周囲に熱を発生させ,癌を壊死させる治療法である。根治的でありながら低侵襲で,再発時の再治療も容易である。適応が肝切除と重なるため,どちらの治療法が優れているか学会では議論になっている。しかし,実際の診療ではRFAを受ける患者が増加している。なお,日本ではRFAは肝細胞癌の治療に主に用いられているが,欧米では大腸癌肝転移などにも広く用いられている。

Key Words
肝細胞癌/ラジオ波熱凝固療法(RFA)/低侵襲治療/Interventional radiology(IVR)

はじめに

 経皮的局所療法としては,1980年代前半から経皮的エタノール注入療法(Percutaneous ethanol injection therapy:PEIT)が行われてきたが,1999年頃からはRFAが普及し,現在ではほとんどはRFAである。複数のランダム化比較試験により,RFAはPEITよりも局所制御能に優れ,長期生存率も高いことが示されている1)2)。

一般的なRFAの適応

①3cm・3個以内(ただし,3cm,3個でカットオフ値が存在し,成績に明確な差が生ずるわけではない)
②明らかな脈管侵襲なし
③肝外病変なし
④多血性結節
 次のような患者は適応から除外される。
①著明な出血傾向
②コントロール不能の腹水
③腸管胆管逆流あり
④腎障害や造影剤アレルギーにより効果判定不能
⑤重篤な全身疾患あり
⑥宗教上輸血不能などで合併症が生じた場合に対応できない
⑦認知症などで指示を守れない
⑧穿刺経路が確保できない
⑨消化管穿通・穿孔を起こす可能性が高い
⑩重篤な胆管損傷や肝梗塞を起こす可能性が高い
 適応が肝切除と重なるため(図1~3)3)-5),どちらの治療法が優れているか学会では議論になっている。

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