Summary
肝細胞癌では,肝硬変の合併による肝機能低下や診断時すでに病変が多発しているため,切除適応例は全症例の20~30%である。さらに,根治的切除後も微小肝内転移や異時性多中心性発癌のため,5年以内に70~80%で再発が見られる。このため,Interventional radiology(IVR)などを利用した非外科的治療が開発されてきた。経皮的ラジオ波熱凝固療法(Radiofrequency ablation:RFA)は,主に超音波ガイド下に電極を病変部位に挿入し,高周波を使って電極周囲に熱を発生させ,癌を壊死させる治療法である。根治的でありながら低侵襲で,再発時の再治療も容易である。適応が肝切除と重なるため,どちらの治療法が優れているか学会では議論になっている。しかし,実際の診療ではRFAを受ける患者が増加している。なお,日本ではRFAは肝細胞癌の治療に主に用いられているが,欧米では大腸癌肝転移などにも広く用いられている。
全文記事
悪性腫瘍に対する熱凝固療法の適応と限界
【Ⅰ.RFA】肝細胞癌
Radiofrequency ablation for hepatocellular carcinoma
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.18 No.3 39-43,
2011
著者名
椎名秀一朗
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器内科
/
手術・救急
/
消化器外科
媒体
Surgery Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。