はじめに
本来,人間の腋臭(わきが)は一種のフェロモンとして機能する体臭形質の1つであり,原始時代では異性を引き付けたり,縄張りを主張したりするためのものとして機能していたと考えられる1)。欧米社会では,腋臭形質を持つ者が持たない者の数を上回ることから,ごく一般的な人体形質と見られているため,腋臭症であることを気にする人は少ない。しかし一方,日本社会では腋臭症を嫌う傾向がある。これは,日本社会において腋臭形質を持つ者が少数派であることに起因する2)。その背景には,ある遺伝子の一塩基多型(SNP)の頻度が人種間で大きく異なることが関係している。
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第69回SNP解析に基づくオーダーメイド医療 迅速SNP診断技術の臨床応用:腋臭症の診断におけるヒトABCC11 (MRP8) 遺伝子のSNP検出
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.18 No.2 48-51,
2011
著者名
石川智久
/
豊田優
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坂井靖夫
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五味常明
記事体裁
連載
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全文記事
疾患領域
皮膚疾患
/
癌
診療科目
産婦人科
/
形成外科
/
皮膚科
媒体
Surgery Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。