Summary
ナファモスタットメシル酸塩(NM)はプロテアーゼインヒビターとして優れた抗凝固作用を有するが,重篤な全身性の炎症や敗血症に合併する播種性血管内凝固症候群に対して,抗凝固作用とともに,早期にその過剰な炎症反応を抑制している可能性が報告されるようになった。筆者は以前より無麻酔・非拘束条件での動物実験モデルにリポ多糖(lipopolysaccharide:LPS)を投与してエンドトキシンショック発症時の影響を調べてきたが,NMは外科手術後自由行動下のマウスにおいてもLPS投与後の体温恒常性維持期間を延長し,予後の改善につながる結果を得た。NMの有用性は臨床でも広く認められているが,今後,より早期の投与が全身状態の改善,治療に役立つと考えられた。
全文記事
What's New in protease inhibitor
LPS 投与モデルにおける低体温・生存期間とプロテアーゼインヒビター
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.18 No.1 103-108,
2011
著者名
足立裕史
記事体裁
連載
/
全文記事
疾患領域
血液
診療科目
産婦人科
/
血液内科
/
麻酔科
/
手術・救急
媒体
Surgery Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。