Summary  既存の画像機器に比して蛍光分子イメージングプローブを用いた生体イメージングは,高分解能かつ特異的な画像を撮像できるため,より微小な癌の描出が可能である。蛍光分子イメージングプローブは,腫瘍へ集積する標的指向性分子に蛍光分子を結合して作成される。蛍光イメージングの特徴の1つである,信号のON/OFFが可能である点を利用して,近年,標的組織内でのみ光信号がONとなるプローブ「アクチベータブルプローブ」を設計し合成してきた。この種のプローブは,バックグラウンドシグナルを低減させ,微小な癌からより特異的な信号を得ることができる。われわれは,さまざまなメカニズムに基づいたアクチベータブルプローブの開発を行い,実験動物内での微小癌の描出を行ってきた。本法は,比較的容易に臨床への応用が可能である上,安価で簡便であり,既存の画像診断の手法では観察できなかったさまざまな病変を描出できる,応用性の高い方法である。