Summary
癌遺伝子発見から約半世紀が経ち,癌遺伝子産物の個々の生化学的機能および遺伝子変異の詳細が明らかとなった。今後,これらの知識を抗癌剤の開発へとつなげていくためには,癌遺伝子産物群が作る分子ネットワークの詳細を明らかにするとともに,癌遺伝子産物の活性が細胞内,組織,そして個体内でどのように時空間的に制御されているかを明らかにする必要がある。この目的のために蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の原理に基づくバイオセンサーが開発されている。実際に,個々の細胞での低分子量GTP結合蛋白質Rasやセリン・スレオニンリン酸化酵素Rafをはじめとする癌遺伝子産物の活性を生細胞で観察することが可能になっている。今後,細胞癌化機構の解明やハイスループットスクリーニング系の樹立に貢献するものと期待されている。
全文記事
癌と生体イメージング
癌のFRET ライブイメージング
FRET live imaging of cancer
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.18 No.1 9-18,
2011
著者名
清川悦子
/
上岡裕治
/
松田道行
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
癌
診療科目
呼吸器内科
/
産婦人科
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消化器内科
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泌尿器科
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腫瘍内科
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消化器外科
媒体
Surgery Frontier
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