全文記事
腫瘍をめぐるQ&A
Question 1個の細胞からPCRができる可能性について教えてください
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.17 No.1 78-81,
2010
著者名
青柳一彦
/
佐々木博己
記事体裁
連載
/
Q&Aシリーズ
/
全文記事
疾患領域
感染症
診療科目
産婦人科
/
泌尿器科
/
血液内科
媒体
Surgery Frontier
「Answer」「はじめに」PCR関連酵素や装置の改良によって, 今日では1細胞から標的遺伝子を増幅・定量することが可能となっている. ゲノムDNAを鋳型とする場合はシングルセルPCR1), mRNAを鋳型として逆転写反応(reverse transcription:RT)で一本鎖cDNAにしてPCRを行う場合はシングルセルRT-PCRと呼ばれる2)3). しかし, 1細胞から得られるごく微量のゲノムDNAやmRNAを, 直接, 鋳型とした場合, 調べられる遺伝子の数は限られる. 多数の遺伝子またはゲノム網羅的に情報を得たい場合は全ゲノムDNAやmRNAを一度増幅する必要がある. 「細胞の回収と核酸の抽出」組織や細胞株より適当な手法で細胞をバラバラの状態にし, 細胞表面マーカーや形態的な特徴により目的細胞を回収する. この際, フローサイトメーターやマイクロマニュピュレーターなどの装置が利用される. また, 固定した病理組織標本からマイクロダイセクションで目的細胞を回収することもできる4)5).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。