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注目される癌化学療法のクリニカルトライアル

乳腺の領域

岩田広治

Surgery Frontier Vol.17 No.1, 39-43, 2010

「Summary」乳癌の予後はホルモン療法から化学療法, 分子標的治療薬の開発により劇的に改善してきた. 多くのクリニカルトライアルの結果からエビデンスが構築され, 世界的に確立した標準治療(ガイドライン)が示されている. 時代は乳癌を単一疾患として捉えるのではなく, molecular subtypeによる個別化治療へと変化し, クリニカルトライアルも, この大きな潮流の中で組み立てられている. さらに効果のみを追求するのではなく, 有害事象の減少(QOL改善)を視点としたトライアルも求められている. ホルモン治療では, より長期のホルモン療法の有効性・安全性が評価対象となり, luminal A乳癌では化学療法の必要性を選択するトライアルが進行中である. HER2陽性乳癌では新規薬剤の開発競争の中で, より有効性の高い治療法の追及を目的としたトライアルが進行中である. triple negative乳癌に対しては有効な既存の抗癌剤治療がなかった状況で, 有望な新規薬剤の臨床第II相試験の結果が報告され, 今後に期待されている. トライアルの結果によって, 乳癌の標準治療は日々変化している. われわれは常にトライアルの結果に注目して, 世界の潮流に乗り遅れない努力が必要である.

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