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注目される癌化学療法のクリニカルトライアル
食道の領域
掲載誌
Surgery Frontier
Vol.17 No.1 11-15,
2010
著者名
宮田博志
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山崎誠
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瀧口修司
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中島清一
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藤原義之
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森 正樹
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土岐 祐一郎
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
消化器
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癌
診療科目
腫瘍内科
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放射線科
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消化器外科
媒体
Surgery Frontier
「Summary」わが国では最近のJCOG臨床試験の結果より, 切除可能食道癌に対して5-FUとシスプラチンを併用した術前FP療法+手術が標準治療となりつつある. 標準的化学療法であるFP療法の奏効率は35%程度であるため, それを上回る奏効率を期待してドセタキセルを併用したDCF療法の臨床試験が進行中である. また, わが国で開発されたS-1は他癌での有効性が示されており, 食道癌における保険適応の承認が待たれる. 一方, 海外では術前化学放射線療法+手術が広く行われるようになってきており, 放射線と併用する化学療法としての臨床試験が進められてきた. key drugであるシスプラチンに加えてパクリタキセル, オキサリプラチンなどのcytotoxic drugや, セツキシマブ, エルロチニブなどの分子標的治療薬を併用したレジメンなどの開発が進められている. 「はじめに」食道癌治療における化学療法は, 主として術前術後の補助療法や放射線療法との併用による化学放射線療法として用いられており, 化学療法単独での使用は切除不能な遠隔転移症例や術後再発症例などに限られる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。