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What's New in SURGERY FRONTIER

第54回血液凝固と炎症―最近の進歩― 組織因子(TF)

大島秀紀平田公一

Surgery Frontier Vol.14 No.3, 76-78, 2007

組織因子(tissue factor:TF)は細胞膜結合型の一本鎖糖蛋白質で, 外因系血液凝固反応の開始因子である. 血管損傷で血液が流出した際に, 血管外組織血管壁の外膜で発現するTFは, VII因子またはVIIa因子と複合体を形成し, IXおよびX因子を活性化するXa因子はプロトロンビンからトロンビンを生成し, トロンビンはフィブリノゲンからフィブリンゲルを形成するとともに血小板を活性化し血管損傷部位で血栓を形成する(図1). <血液凝固反応と炎症反応> 血液凝固反応と炎症反応は創傷治癒における基本的反応であり相互に密接に関係している. 血管損傷ゆえの炎症に対して集積する単球や刺激を受けた内皮細胞でTFの発現が亢進する1). TFは外因系血液凝固反応を活性化するだけではなく凝固反応で生成される凝固プロテアーゼ(VIIa因子, Xa因子, トロンビン)が, 傷害組織の細胞膜protease-activated receptor(PAR)を活性化する. 活性化されたPARは細胞内のnuclear factor(NF)-κBなどの転写因子を介して, tumor necrosis factor(TNF)-αやinterleukin(IL)-1β, IL-6などの炎症性サイトカインの産生と分泌, intercellar adhesion molecule-1(ICAM-1), vascular cell adhesion molecule-1(VCAM-1)などの接着因子の発現を促す2).

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