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肝不全の各種病態と新しい治療の視点

劇症肝炎内科治療の新たな視点

―血漿交換療法,HDFと免疫抑制療法―

井上和明渡邊綱正

Surgery Frontier Vol.14 No.2, 20-24, 2007

劇症肝炎の治療は, 対症療法から発達した. 対症療法のメインは, なんといっても人工肝補助療法である. この治療法は, 本来, 肝不全の二大症候である意識障害と出血傾向に対抗でき, 患者の生存を保証できるものでなくてはならない. わが国では血漿交換が1980年代に標準療法として広まったが, この治療法は欠乏する凝固因子を補充するには十分な能力をもつものの, 意識障害から患者を覚醒させるという点では, 十分な効果を示さなかった. そこで, わが国では与芝らの一部の研究者が水溶性の中分子領域に昏睡惹起物質が存在すると考えて, high performance membraneを用いて大量の水で血液を洗う治療を考案し, 発展させた. 人工肝補助の確立により, 劇症肝炎急性型の治療成績は向上した. しかし, 一見緩徐な経過をとるものの肝細胞破壊の持続する劇症肝炎亜急性型では, 肝補助により意識清明を維持し摂食可能となっても, 肝再生が起こらず患者を内科的に救命することは不可能であった. そのため, 肝細胞破壊を抑制する治療として, サイクロスポリンが導入された. 人工肝補助と原疾患に対する治療は, 劇症肝炎治療として不可欠である.

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